住宅を購入する場合、多くの方が住宅ローンを利用します。
住宅ローンを借り入れる際には、借り入れ額や借入期間について十分検討しなければなりません。
今回は住宅ローンを借りるときに知っておくべきオーバーローンについて、概要や注意点をご紹介します。
住宅購入におけるオーバーローンとは何か？
住宅購入におけるオーバーローンとは、住宅ローン残高が住宅の資産価値を上回る状態のことです。
住宅売却時のオーバーローンは売却価格より残債が高い状態を指し、購入時のオーバーローンは物件価格に諸費用を上乗せして借りることを言います。
住宅購入時の諸費用には、印紙税や登録免許税などの税金のほか仲介手数料などがあり、総額が100万円を超えることも少なくありません。
似た言葉に「フルローン」がありますが、これは物件の購入金額を頭金なしで全額借り入れるものです。
オーバーローンでは融資を受けた資金ですべてを賄うので、仕組みとしては自己資金がなくても住宅購入ができるようになっています。
貯蓄はあっても、教育費や事業などその他資金として使いたい場合などにも、オーバーローンは利用されています。
住宅購入時にオーバーローンで融資を受ける場合の注意点とは？
住宅ローンをオーバーローンで借り入れる際は、資金の用途が制限される点に注意しなければなりません。
対象となる費用の細目は金融機関ごとに異なり、ローン契約時には費用が明記された契約書などの確認書類の提出が必要です。
もし住宅ローンとして借り入れたお金を自家用車の購入などに充てた場合、事実が発覚した時点で一括返済を求められる可能性があります。
住宅ローンの金利がオーバーローンになると高くなる可能性があることも、注意点の1つです。
融資率が高くなるほど金利が上がるのは延滞リスクの対応策で、フラット35では融資率90％を境界線に金利が上がっています。
オーバーローンで借り入れると融資率が100％を超えるので、支払う金利は高くなり月々の返済額にも影響を及ぼす点は注意が必要です。
建物は購入した時点から価値が減少していくため、売却する場合、ほとんどの物件が購入時よりも評価額は低くなってしまいます。
とくにオーバーローンで購入した物件は売却時に残債があることが多いので、相場での売却が難しくなる場合があります。
残債が多くある不動産で通常の売却が困難となると、売却方法が任意売却や競売になってしまう点も知っておく必要があるでしょう。
まとめ
住宅ローンの金利はほかのローンより低いので、諸費用分も借りられれば利息負担が少なくなります。
ただしオーバーローンの細目や金利は金融機関で異なるので、借りる場合はしっかり内容を確認することが大切です。
何より資金なしで住宅購入をするリスクは、住宅ローンを組む前に十分に理解しておく必要があるでしょう。
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