建物を再生し、地域へつなぐ想い Blog
会長がこれまでの建物づくりを通して感じてきたこと、そして大切にしている想いを、本人の言葉をもとに伝えたいと思います。
興福寺みなみ

数年前、知人を通じて物件の紹介を受けました。
現地に物件を確認しにいくと、建物は専有面積の狭いマンションで、当時は空室も多く、あわせて大規模な修繕が必要な状況でした。物件の購入後、すぐに活用できる状態ではありませんでした。

しかしながら、歴史的な建造物である興福寺のすぐ近くに位置していることや、建物の再生によって地域にとって良い循環を生み出せる可能性を感じ、この建物を「再利用して活かす」方向で検討を進めました。
過去の土地利用など背景も調べながら、行政手続き面(用途に関する手続き等)についても確認したうえで、必要な手続き・準備を段階的に進めました。
その後、行政への届け出や各種許可の取得、建物の改修計画を進め、時間をかけて整備を実施。検査等も含めて必要な手続きを完了し、建物としての整備を終えました。
完成にあわせて、名称を「興福寺みなみ」へ変更しました。

この建物の再生を通じて改めて感じたのは、古い建物には、その場所だからこそ受け継がれてきた歴史や魅力があり、それらを活かすことで新たな価値を生み出せるということでした。
その経験は、私の建物づくりに対する考え方をより強くし、次の建物との出会いへとつながっていきました。
メゾンならまち

その後、ご縁をいただき、奈良町にある一棟のマンションをご紹介いただきました。
築年数は経過していましたが、歴史ある奈良町の街並みに調和する佇まいに魅力を感じ、「この建物を未来へ受け継いでいきたい」という想いから、再生に取り組むことを決意しました。
改修では、建物本来の趣を大切に残しながら、設備や内装を見直し、安心して快適に暮らせる住まいとなるよう整備を進めました。
ステンドグラスに込めた思い
実際に建物を再生する中で感じたこと、そして「建物を通じて、地域や人の暮らしに何を届けたいのか」インタビュー形式で聞いてみました。


― メゾンならまちの各階には、会長ご自身が制作されたステンドグラスが飾られています。なぜステンドグラスを設置しようと思われたのでしょうか。
会長:
建物は、人が暮らすためだけの場所ではないと思っています。
毎日帰ってきたときに少し気持ちが和らいだり、何気なく目にした景色に心が癒やされたり。そんな小さな豊かさも、住まいには大切なことではないでしょうか。
その想いを形にしたくて、各階の踊り場に私が制作したステンドグラスを設置しました。
一枚一枚、「ここで暮らす皆さまの日常が少しでも彩りあるものになりますように」という願いを込めて制作しています。
― 建物づくりにおいて、大切にされていることを教えてください。
会長:
古い建物には、それぞれの歴史や個性があります。
私は、その魅力を大切に受け継ぎながら、新たな価値を加え、次の世代へつないでいくことが建物づくりの使命だと考えています。
建物を再生することは、単に古いものを新しくすることではありません。
その場所に刻まれた歴史や想いを未来へ受け継ぎ、地域に愛され続ける建物へ育てていくことだと思っています。